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大阪商業大学高等学校3年生を対象に、講演会を開催しました。

9月11日(木)、大阪商業大学5号館531講義室において、谷岡一郎理事長・大阪商業大学学長が「『世に役立つ人物』とはどんな人間か─建学の理念と生き方・考え方について─」と題して、3年生生徒全員を対象に講演されました。

冒頭、「(開催日の)9月11日というのはずいぶんショックな日でもあります。今世紀の最初2001年、ニューヨークのワールドトレードセンターという世界でも有数のビルに飛行機が2機突っ込んでビルが壊れてしまったという、大きなテロ事件がありました。節目節目に「あれはどうして起こったのかな」なんていうことを考える機会にしてほしいんです」と述べ、「皆さんは高校で習っていること、教科書に書いてあることはたいてい正しい、もしくは正しいらしいと証明されていることばっかりです。ですからこれまで『絶対的価値』というものを学んできたはずなんです。でもこれから大学へ進学したり、世の中へ出たりすると、国際的な価値というのは実はこの反対、『相対的な価値』というものが大変重要になります。相手の人が何を考えているのか、そして私はどんなことを信じているのか、それに従って今私は何をどのようにすべきかということを考え続けなければいけない。これから皆さんが学ぶのは、『相対的な価値』だということを、肝に銘じておいてください」と続けられました。

本編に入り、建学の理念「世に役立つ人物の養成」を具現化した4本の柱『思いやりと礼節』『基礎的実学』『柔軟な思考力』『楽しい生き方』について、さまざまな例やエピソードを交えながら紹介されました。その中の『楽しい生き方』では、話題の1つとして「これから社会へ出たら、みなさんを怒らせよう怒らせようとする人が必ず出てきます。そういう人たちはわざと怒らせようとするんです。でも怒ったほうが負けなんです。悪いことを言われても絶対怒ってはダメ。逆手にとってジョークで返せないか、と考えてください」と述べられました。

講演の途中で随所にクイズを出題。「手を挙げて何か答えてくれたら、何か必ず差し上げます」の声に会場はどっと沸いて、生徒の皆さんは果敢にチャレンジしていました。その姿に「正解不正解はともかく、手を挙げてくれるのがいいんです」と評価しながら、それぞれにご自身の著書を進呈されていました。中でも最も沸いたのが、3問目の確率の問題。挙手して「答などないっ!」と言い放った生徒に対して、「なんちゅういい加減な答えだ・・・と思うけれども、実はある面の真実を突いています。私は大学では、試験問題に答のない問題を出してよろしいと先生方に言ってあります。今までのように5つのうち1つ正解があります、なんていうのは社会に出たらないんです。5つのうち3つ正解があるかもしれないし、1つもないかもしれない。そんな中でも皆さんは決断をしなければならない。それが今の世の中です。なので『答などない』という答も実際にありうるのです。ただこの場合は確率論ですので、さすがに違いますが・・・」と笑顔で答えられていました。

そして最後にこれから生きていくうえで重要なこととして、「自分の頭でまず考えてみる。それまでに他の人にいろんな意見を聞いたりするのはいいですが、決断するのは皆さん自身です。そして、『やるかやらんか迷ったらやる』、つまらない事でも結構、小さな事でも結構、私は今迷っているなと思ったら、これからは『じゃあやろう』と自動的に決める人生を歩んでいただきたいと思います」と結ばれました。